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2008年10月 2日 (木)

朝日、読売、日経の印刷相互委託:「あらたにす」以来の協力深化~10月2日東京新聞朝刊

 朝日新聞と読売新聞は10月2日朝刊1面にそろって社告を出し、印刷相互委託推進と、日経新聞を含めた3社の災害時の援助協定で合意した、と告知した。

 毎日新聞は無視していたが、東京新聞は2日朝刊対社面ベタ記事<日経、朝日、読売印刷を相互委託>で事実関係を報じ、産経新聞は2日朝刊経済面メモ扱いで掲載していた。

 東京記事を引用する。

 <日本経済新聞社、朝日新聞社と読売新聞グループ本社の全国紙3社は1日、新聞の印刷の相互委託や、共同配送の拡大などで連携を強化すると発表した。3社は災害時の援助協定を3月に結んだが、今回、通常時の協力体制も強化し、コストの低減を図る。>

 <具体的には、読売の香川県坂出市の工場に、朝日が2013年までに印刷を委託し、朝日の同県丸亀市の工場は閉鎖する。読売は11年ごろ、朝日の千葉県船橋市の工場に印刷を委託。他の地域でも、日経を含めた3社で印刷委託や共同配送を検討する。>

 <また、災害などで、3社のいずれかの新聞が発行できなくなった際、相互に印刷を代行するといった援助体制を、青森県弘前市の3社の工場で今年11月から始める。仙台地区など数カ所でも準備中という。>

 東京新聞の記事は以上だ。

 産経新聞の記事もほぼ同じ書き方なので、共同通信が配信した記事を使用した可能性が高い、と思われる。

 朝日社告では<朝日新聞の印刷工場は全国に24カ所あります。工場で障害が起きても、近くに日経や読売の工場があれば、代わりに印刷してもらうことが可能となります。今後、北海道や仙台市、名古屋市などでも、計画を進めていきます。>とあり、また、読売新聞との相互委託印刷は初めてで、印刷開始は2011年から13年を予定している、とあった。

 読売社告では<読売は千葉県と都内東部向けの新聞印刷を朝日新聞船橋工場に委託し、朝日は四国向けの新聞印刷を読売新聞坂出工場に委託します。双方とも2012年をめどに行います。両社が新聞の印刷を相互委託するのは初めてで、併せて両工場からの新聞の共同輸送に向けても協議します。>とあり、朝日新聞との間で今後、北海道、群馬県の工場で準備を進める、とあった。

 微妙に時期が違っていたりするのはご愛嬌か。

 朝日、読売、日経の「勝ち組」3社の共同行動が表面化したのは2007年10月1日にインターネット分野での共同事業と販売事業分野での業務提携に合意し、災害時等の新聞発行をめぐる相互援助覚書を締結した頃からだった。

 「あらたにす」ホームページによると、07年11月30日付で3社共同で民法上の任意組合「日経・朝日・読売インターネット事業組合」(長田公平理事長=日本経済新聞デジタルメディア社長)を設立。これを運営組合として、共同で2008年初めにインターネット事業を開始する、と書かれていた。

 <共同事業は、新聞社が発信する報道や解説、評論の価値をインターネットの世界でも高めるため、各社単独では展開できないサービスを提供します。3社の主要な記事や社説の読み比べができるサービスのほか、ネットの様々な技術を活用して、3社のニュースを共同で発信するためのツール等の提供も検討します。事業費は当面、数億円規模とし、3社が均等に負担します。>

 と、費用負担など経営上の諸問題がすでにクリアされていることも明かし、堂々の船出となるはずだった。

 ところが、この「あらたにす」サイトへのアクセスが伸びず、3社も困っている、という。

 しかし、この一見華やかな協力作業の裏で着々と実践的な協調体制作りが進められていた、ということだろう。

 「あらたにす」スタート時には「毎日新聞排除」「毎日潰し」など、毎日新聞社を仲間に入れなかった理由について様々な憶測を呼んだが、今回の相互印刷委託協力体制を見ると、新聞大手3社がカルテルを結び、必死で生き残りをはかろうとしている姿が浮かび上がる。

 広告収入減、部数減に直撃され、各紙とも経営は苦しい。

 グローバル・スタンダードになりつつある「米国型メディア・コングロマリット」として生き残る道を模索するには、今や新聞がテレビ局の軍門に下るか、外資を含めた他分野の経営者を迎えねばならず、プライドの高い新聞人にとっては、なかなか取りにくい選択肢だろう。

 それに、地上波デジタルへ移行時期が近づいており、新聞社系列の民放テレビ局の経営も万全ではない。

 3社は「インターネット全盛期の新聞」がいかに生き残れるか、という答えのない闇夜の航海に海図を持たずに出るに際し、まずは出費を抑える、という形で足腰を固め、当面の延命措置を取った、というところなのだろうか。真相は分からないが。

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