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2008年11月20日 (木)

公明党と麻生首相の関係と総選挙時期~朝日新聞、読売新聞11月16日朝刊から

 読売新聞11月16日朝刊政治面コラム[政ナビ]が面白かった。高木雅信政治部次長の<「衆院・都議ダブル選」の怪>だが、10月下旬に永田町で衆院選を都議選との同日投票で行う、という噂が広がったのだ、という。6月下旬から7月上旬に予定される都議選は公明党にとっては特別な選挙で、そこに衆院選をぶつけられるのが公明党にとって最も困る。その困ることが起きるかも、という話で、コラムはこの噂の出所が中川昭一財務・金融担当相周辺だったのではないか、とにおわせている。公明党を焦らせ、衆院解散・総選挙先送りに反対したり、変な動きをしないように釘を刺したのではないか、という解釈を書いていた。

 公明党がなぜ都議選を重視するのか? 大体想像はつくのだが、支持母体の創価学会が東京都によって宗教法人として認証され、法人登記をしていたから、そういう話になったらしい。記事にもあるが、宗教法人法改正で現在の所管は文部科学省となっており、東京都は直接関係ないので、今はそんな話は信用できないのでは、と思うと、信濃町の創価学会本部の警視庁による警備などもあり、現在でも都議会で議席を確保することは重要だ、と書いてあった。

 <都議選が近くなれば、全国から学会員が応援のため東京に集まり票の掘り起こしに努めるため、衆院選の時期は都議選と離してほしいというわけだ>

 は高木氏の考えではなく、そう言っている人がいる、という書き方だが、本当に今でもそうなのだろうか? ちょっと信用できないのだが。というのは、都議会議員候補者のメンツを見る限り、創価学会でそんなに重視している人が立つわけでもなく、どうも最近の公明党都議は普通の県会議員並みになってしまったのではないか、と見ていたのだが、どうなのだろう?

 記事で高木氏はこの噂が信憑性を帯びたのは、都議会の自公両党が賛成して東京都が400億円を追加出資した新銀行東京の経営不振があり、両党の都議の間では都議選に相当な危機感を抱いているらしい、と書いている。

 例の民主党の5項目かの要求の中に公的資金投入の対象から新銀行東京を排除せよ、とか、経営責任を明確にせよ、という方針や、捜査当局が新銀行東京の不正経理の捜査に着手したことで、危機感が高まったのかもしれない。でも、この金融不況の中で、本気で新銀行東京を潰せ、という勢力はいないだろうし、経営責任にしても、石原慎太郎都知事の責任を問う声が上がるかもしれないが、それを受けて知事が辞任するような事態ではないだろう、と思うのだ。

 ただ、公になっていない不祥事があったりすれば、話は別だが。

 そうなると、公明党がダブル選挙を本当に嫌がっているのかどうか? ちょっと不思議でもある。実際に永田町の議員から話を聞いているわけではないので、何とも言えないが、どうも論拠が弱い感じがするのだ。

 記事では公明党東京都本部関係者の話として「都議選は中選挙区制なので自民党もライバルだ。都議選をやりながら衆院選で自公の選挙協力ができるわけない」と怒っていた、と書いており、この辺は本当かな、と思った。

 麻生首相と公明党の間に隙間風が吹いたことは確かだろう。これについては、後ほど、太田昭宏公明党代表のインタビューを見てみるが、どうも、こんな噂が流れること自体、永田町が「幽霊の正体見たり枯れ尾花」の疑心暗鬼状態に陥っている証拠としか思えないのだ。

 さて、朝日新聞11月16日OPINION面[耕論]である。若宮啓文コラムニストが太田昭宏公明党代表に突撃インタビューを試みた、という趣向だろう。普段ならば遠慮してズバリとは聞きづらい質問をあえてして、答えを求めている。だが、記者の常道である二の矢三の矢が出ていない。つまり、相手を追い込んではいないから、格好だけはついているが、内容は乏しい。

 例の公明党幹部が麻生首相に「誰のおかげで首相になれたのか」と怒りをぶつけた、という報道について見解を聞き、太田氏に「全く違う。大変失礼な話で抗議もしました」という弁明を言わせる余地を与えている。

 このダブル選挙の噂については追及していなかったが、別の質問への答えで太田氏から、

 <二大政党に収斂するいまの選挙制度は価値観の多様化する我が国にあっては問題で、中選挙区にすべきだと思いますが。>

 という答えを引き出していたのは良かった。太田氏は選挙後については何も言質を与えないように慎重に答えていた。

 田母神論文と村山談話について相当のスペースを取って2人の話を掲載しており、どうも、これら2点についての話を掲載するのが目的だったとも思えた。この問題に限れば太田代表と若宮氏は「田母神けしからん」で一致しているのだから、「耕論」にはならず、仲間褒めになるだけなのだが。

 私にとっては、公明党が中選挙区志向であることを再確認したことだけが収穫だった。1ページを時間をかけて読んだのに、これだけでは、「読んで得した」という感じはなかった。でもしゃべった2人には田母神氏や村山談話に関する部分が載っていればいいのかもしれない。あえて読まずとも、この問題に関する2人の意見は分かっているのにね。

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