麻生首相会見は良かったが、小泉改革否定がないVS小沢氏会見、記者の嫌らしさが目立った~3月31日産経新聞ネット版から
麻生太郎首相が3月31日夕、2009年度予算と関連法案成立を受け、そしてG20出席のためのロンドン訪問を前に、首相官邸で記者会見を開いた。産経新聞がネットに会見詳報をアップしていた。それを読んでみよう。
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090331/plc0903311812016-n1.htm
以下は産経新聞ネット版にアップされていた麻生太郎首相の記者会見詳報である。
▽去る3月の27日に、平成21年度(2009年度)予算と関連法案が成立をいたしました。私は予算の早期成立が最大の経済対策であると申し上げてまいりました。これで景気対策の『3段ロケット』が完成したことになります。
▽すでに実施をいたしております平成20年度(2008年度)の第1次、第2次補正予算は、大きな成果をあげていると存じます。
▽例えば、中小企業の金融支援につきましては、緊急補償と特別融資とで、これまで約50万件、10兆円が実行に移されております。現実問題、これは300万人を超える従業員の雇用の安心につながったということになろうと存じます。雇用調整助成金は、従業員を解雇しない企業を支援するお金のことです。本年2月だけで、187万人の雇用の下支えをしたことになります。
▽地方の高速道路につきましては28日から、休日は『どこまで行っても1000円』が始まりました。多くの方に利用していただいております。その上に、新年度予算が加わることになります。国民生活を守るために、雇用対策や、医師確保や、緊急医療対策、そして出産支援などに力を入れていけると存じます。
▽また、地方交付税を1兆円増額したほか、地方や企業を支援する施策を盛り込んでおります。
▽これらの効果を早期に発揮させるためには、その執行の前倒しが必要だと存じます。地方公共団体に対しても、その協力を求めて参ります。
▽しかしなお、日本は経済危機とも言える状況にあろうと存じます。そのため、新しい経済対策を策定いたしたいと存じます。
▽今やらなければならないことは基本的に三つです。一つ、景気の底割れを防ぐこと。二つ、雇用を確保し国民の痛みを和らげること。三つ、未来の成長力の強化につなげることです。
▽景気対策のために需要を拡大するとともに、安心に力を入れることが必要です。生活者の安心を確固たるものにする。すなわち雇用や、社会保障、子育て支援などの充実が求められていると存じます。また、未来への成長につながるような、新しい分野への投資が重要であります。まさに、政府の役割、財政の出動が求められていると思います。これまでの経緯にとらわれることなく、大胆な発想で、最大限の努力を行いたいと存じます。政府与党で早急に取りまとめ、国民のみなさまにお示しをいたしたいものだと考えております。
▽次に成長戦略についてお話し致します。短期的な経済対策の先には、中長期の経済成長が必要です。どのような経済社会を目指すのか。将来像や目標を具体的に明示し、その実現に向けたシナリオを描いております。そして、官と民とがともに行動することで、新たな市場や雇用を創出致します。早急にまとめたいと存じます。
▽第1の分野は、低炭素革命です。環境、エネルギー分野は日本が世界で最も強い分野です。例えば太陽光発電や、環境に優しい自動車。日本の技術で、低炭素革命を先導いたしたいと存じます。
▽第2の成長戦略は健康長寿社会の実現です。日本は世界最速で高齢化が進んでいますのはご存じの通りです。だからこそ日本で活力ある明るい高齢化社会というものを実現したいもんだと考えます。例えば、介護の職場で希望が持てるようにしなければならないと考えます。
▽第3の分野は日本の底力の発揮です。日本には安全、また文化といった国際競争力のある観光資源があると存じます。また、アニメーション、ファッション、Jポップ、いろいろありますが、日本のソフトパワーは世界に冠たるものがあります。残念ながら今、それは国際的なビジネスにはつながっていないと存じます。日本の魅力や底力を産業につなげることで地域に活力を与え、若者の雇用を増やしたいもんだと考えております。
▽さらに中長期の成長戦略は、国内だけを見ていても描けないと存じます。国境を越えてアジア全体で成長するという視点が大事だろうと存じます。このため、日本はアジアでの広域インフラの整備などを通じた域内の需要拡大をODA(政府開発援助)や民間資金を活用して支援をしたいと存じます。4月にタイで開かれる予定の東アジア首脳会談の場で、私はこうした取り組みの推進役の先頭に立ちたいもんだと考えております。
▽さて、私は今夜、ロンドンに向けて出発します。緊急経済・金融サミットが開かれ、世界の20カ国以上の首脳が集まる予定であります。昨年11月、第1回のサミットがワシントンで開かれたのはご存じの通りです。その際、私が主張した不良債権の迅速な処理や、また、金融市場に関する規制と監督に関する国際協調などは、すでに共同声明に盛り込まれ、各国において進められております。
▽例えば不良債権の処理です。日本は1990年代の経験から、その際には金融機関に資本注入をする場合、厳格で公正な資産評価と経営健全化のインセンティブの付与が必要不可欠だと申し上げてきました。最近アメリカで発表された金融安定化策はこうした方針に沿ったものです。これを歓迎をするとともに、一刻も早い実行を望みます。
▽また、世界の金融市場が逼迫していることについては、私はIMF(国際通貨基金)に対して1000億㌦の融資を行う意図を表明し、先般、取り決めを締結をしております。その後、EU(欧州連合)も日本にならってほぼ同額の融資に同意をしております。日本としてはこの際、さらなる提案を行うことにより、世界経済にとって必要な資金が円滑に供給されるよう主導的な役割を果たしていきたいと考えます。
▽さらに、世界的には輸出入のために資金手当てというものが難しくなってきております。信用が収縮しているからです。これを放置すると、輸出入取引自体が縮小していくことになります。このため、日本は貿易に対する保険や融資を活用して支援を行っていきたいと考えております。今回のロンドン・サミットにおいてはこうした基本的な方針に従って議論を深め、さらなる具体的な成果を得るべくリーダーシップを発揮していきたいもんだと考えております。
▽最後になりましたが、平成21年度(2009年度)予算が成立をしました。しかし、なお重要な法案がたくさん残っております。ソマリアなど海賊対処法案、消費者庁(設置)の法案、年金の財源を安定的にする法案などなどです。それぞれ国民生活や国際貢献にとって不可欠なものだと存じます。私はこれらの早期成立に全力を挙げたいと存じます。
▽明日4月1日は新学期や新年度が始まります。新しく学校に入られる学生さんや新しい職場につかれるフレッシュマンも多いと思います。大きな希望とともに少しの不安もお持ちだと存じます。
▽みなさんの未来というものは明るいものにしなければならないと考えます。私が総理大臣の重責を担うことになりましたのは、ひとえにこの日本を元気にするため、そして安心できる社会を作ることであると、そう心得ております。そのために全身全霊をささげる覚悟です。国民のみなさん、希望をもってともに進んでいこうではありませんか。ありがとうございました。
以下は質疑応答。
――本日、新経済対策を指示されたが、その新経済対策の裏付けとなる21年度(2009年度)補正予算案について、与党内では早期に国会に提出してほしいという要望が高まっている。首相としては今国会に提出するご意向かどうか。提出された場合、今国会の成立まではかっていくのか。あわせて提出の時期、補正の規模については?
麻生首相 本日、政府・与党に対して公明党の太田(昭宏)代表とともに、現下の経済状況を考えて、4月中旬までのできるだけ早い時期に、経済対策をまとめてほしいと指示したところです。その中には、補正予算というものも、その提出が含まれるということであります。提出の時期、規模、補正予算ですけれども、規模につきましては、対策の内容次第によって決まってくると思いますので、この段階で総額いくらと決まっているわけではありません。そして、出した以上は、できるだけ速やかに成立させるよう、われわれとしては最大限努力してまいりたいと考えております。
――北朝鮮が人工衛星として弾道ミサイルの発射を強行した場合の日本政府の対応について。国連安全保障理事会の常任理事国の中でも、北朝鮮のミサイル発射に対する考え方に温度差がみられるが、日本政府として国連の場でどのように主張していくつもりか。また、国連安保理の場で何らかの決議を求めていく考えはあるか?
麻生首相 北朝鮮のロケット、あるいはミサイルの発射は、当然のこととして北東アジアの平和と安定を損なうものであります。また、当然のこととして、国連の安保理の決議にも反する。北朝鮮はまず発射を自制すべき。当然です。この点については、アメリカ、韓国、中国、ロシアを含め一致しています。北朝鮮に対しても、日本の立場をすでに伝達しています。
ロンドンのサミットの場においても、当然のこととして各国の首脳と緊密な連携を確認しないとならないところです。それでも北朝鮮が発射を強行した場合には、まず国連の安保理において、しっかりと議論する必要があるだろうと思っています。
日本としては具体的な発射がどのような形で行われるかを踏まえない段階で、安易なことを申し上げるわけにはいきませんが、安保理においての決議の可能性も念頭に置きつつ、議論をしていく。当然のことだと存じます。国際社会が一致して行動するということ、最も肝要、最も大事だと思っています。
――財政再建について。首相は財政出動については過去の経緯にとらわれることなく、と言われたが、平成23年度(2011年度)までの基礎的財政収支の黒字化は断念するということか。もしそういうことであれば、今後は財政再建をどういう道筋で行っていくのか?
麻生首相 2011年(平成23年)のいわゆる財政均衡を目指すということにつきましては、これは基本的にはわれわれとしては、こういったものは最も大事な旗の一つですから、これは掲げ続けなければいけないと思います。
ただ、現実問題として、今置かれています状況を見たときには、その状況は極めて厳しい状況になってきておるというのは否めない事実だと存じます。
われわれとしては、この財政再建というものに関しては、最初から申し上げましたように、目先3年間は景気対策と。そして、中期的には財政再建と申し上げてきたところでもありますので、私としてはまず、景気対策が最優先するというようにご理解いただければと存じます。
――首相は生前贈与を促して消費を刺激するという狙いで、贈与税軽減について検討に値するということを発言している。税制改正を年度途中で行うのは、なかなか難しいといわれるが、追加経済対策、あるいは補正予算を考える上で年度途中の税制改正も排除せずに検討したいというつもりで税調(税制調査会)側と調整していくということでいいのか。また、消費税について首相は昨年10月、経済が好転すれば早ければ3年後の消費税引き上げということを言っていた。来年、税率は明言しないものの、具体的な引き上げ時を仕組む法案を出そうという議論もあるが、状況的には難しいと思う。その点について首相は今、どのように考えているか?
麻生首相 贈与税の方から。ご存じかと思いますが、ご存じのように、今、個人金融資産は正式に分かっているだけで1430兆円ぐらいあるといわれております。その多くの額が高齢者によって保有されているというのも、よく言われているところです。
この金融資産をどのように活用し、いわゆる需要の創出につなげていくかということを検討することは、極めて重要なことだと思っています。このため、どのようなことが可能なのかということを党税調含め、関係者で検討してほしいと考えております。
消費税につきましては、これは税制抜本改革については、これは昨年末、社会保障と税財政に関する中期プログラムというのを閣議決定をし、今後の道筋を盛り込んだ法律が成立したところであります。
その中では、今年度を含む3年以内の景気回復に向けた、集中的な取り組みにより、経済状況を好転させるということを前提として、遅滞なく、かつ段階的に消費税を含む税制の抜本改革を行うために平成23年度(2011年度)まで必要な法制上の措置を講じるということにしています。
実際の税制改革につきましては、これは具体の内容、たとえば税率の話など、これは別に法律で定める必要がある。当然のことです。そのために国会で税制の具体的な姿を審議していただくことになるんだと思います。ただ、道筋に変わりがあるわけではありません。財政出動というものを行うというためには、財政に対する中期的な責任というものをきちんと示すことが、責任ある政府・与党としての原点であり矜持であろうと思っております。
――補正予算について成立に最大限努力するというが、成立までは衆院の解散・総選挙は行わないという意味にとらえていいか。それとも補正予算案の審議中であっても、来るべき時期が来たら決断することがあるということなのか?
麻生首相 これは前から申し上げている通り、今回、こういったことになったから別な答えが出るだろうと期待されているのかもしれませんけれども、政局よりは政策。同じことを申し上げましたし、まずは景気対策として、その方向でこの半年間やらせていただいたと思っております。解散につきましては、しかるべき時期に判断をすると。私が判断をすると申し上げてきておりますので、どういうことになるか、今の段階で申し上げるところではありません。
――解散・総選挙の時期の確認だが、首相は3月初めにもテレビなどのインタビューに答えて、追加的景気対策と解散の時期に関連して、口先に言っているだけではダメだ、と。実行しなければダメなんだと言っていたが、先ほど平成21年度(2009年度)補正予算を提出して成立させたいということは、成立させるまでは衆院を解散する状況にはないという認識でいいか?
麻生首相 今言われた質問とほぼ同じ質問を、別の言い方をされたんだろうと。言い方の違いで。答えがまったく同じになると具合悪い。別の言い方をするんだと思いますけれども、いろんな言い方をされましたんで、こちらの言い方もいろんな答え方で答えた方がいいのかもしれませんけど、判断は私がします。
そして、その時期につきましては、補正予算というものの成立に(野党が)どういう対応でなされてくるのか。補正予算がいいということで、補正予算に同調されるのか、反対されるのか、減税含めて賛成か、反対か。
それらの状況というものをいろいろ判断させていただかなければならないことだと思っています。どうしても反対というのであれば、その状況で60日間を要してでもやるのか。それを打ち切ってでも、この際、これがわれわれの案だということで選挙をするべきなのか。それは、その時の状況によって判断させていただきます。
以上が産経新聞のネット版にアップされていた麻生首相の記者会見の内容だ。
麻生首相の話というは国会答弁でも、このような記者会見でもサービス精神旺盛で、その人の良さがよく出ている。逆に言えば脇が甘いと思うのだが、指導者はこれでいいのではないか。あとは参謀役が麻生首相のここで話した大方針をこなして、具体的に政策化すればいい。
このような話をロンドンで話してくるのならば、期待できるではないか。特に世界金融・財政政策に関して相当に勉強したようだから、米英仏独と十分張り合ってやれるだろうし、外相時代に不安定の孤を繁栄の孤に変える政策案を発表しており、アフガニスタン情勢についても日本の考え方を米英に教えてあげればいい。つまりキリスト教国では限界があるので、イスラム教の国々が「敵」と思っていない日本がリーダーシップを取る形で平和的な共存の模索ができるのだ、そのためにはイランを敵視すべきではない、というくらいの物言いをしてくればいい。
ようやく09年度予算と関連法が成立し、09年度予算の補正の話まできた。後はそれこそ麻生首相の言うようにいつでも衆院解散・総選挙ができる。首相が外交日程をどう見るか、で総選挙日程が決まってくるだろうと思うが、いつでもいい。
麻生首相はよくやっている。ただ、今までの自民党だったら路線論争をもう少し熱心にしていただろう、と思うのだが、今それが消えてしまったから、明示的な形で小泉構造改革路線に決別する、という儀式がなかなかできないのが残念なところだ。
象徴的な「小泉構造改革」政策を転換するしかない。できれば郵政民営化をやめればいいのだろうが、そうはいかないだろうから、せめて高額所得者への税の累進税率をきつくするとか、法人税を高くするとか、医療の自己負担3割を1割に戻すとか、誰にでも「小泉改革は終わった、麻生首相は庶民目線で政治をしてる」ということが実感できるような政策に転換してほしい、と思う。
その転換がなければ、いくら小沢一郎氏の秘書が逮捕されようが、民主党の支持率が落ちるのは一時的現象だ、と覚悟しておかなければならないだろう。国民はバカではない。目線が大企業と「持てる者」に向いているのか、一般庶民に向いているのか、は敏感に分かるものだ。
小泉マジックで新自由主義的な金持ち優遇を郵政選挙でごまかしても、後に残るのは労働者の3分の1が非正規という悲惨な現実と猛烈な格差社会であり、もうごまかしがきかない段階まできてしまった。
あとは庶民のための政治をするのか、金持のための政治をするのか、選択肢は二つに一つだ。少なくとも民主党は新自由主義的な規制緩和、新自由主義政治には反対している。
いくら小沢氏にダメージを与えても総選挙が公示されれば、非正規労働者たちがものを言い始めて、その流れが奔流になれば、小沢氏秘書の政治資金規正法違反など泡と消えるだろう。
麻生首相にもチャンスはある。小泉政治との決別を宣言し、竹中平蔵氏らを「改革利権」隠匿の罪で告発することだ。それの前哨戦はすでに鳩山邦夫氏がすでに戦線を開き、道をつけている。
麻生首相の敵はもしかすると小沢一郎氏ではなく、小泉純一郎、竹中平蔵氏なのかもしれない。その意識を持ちながら、国民のための政治を一所懸命実行してほしい。そうすれば突破口は開けるだろう。
そして、小沢氏も堂々と受けて立ってほしい。再分配の政治を前面に掲げてほしい、そして、外需依存から内需主導への産業構造転換をやる、と明言してほしい。日本の政治には言葉も実行力も両方ともが必要なのだから。
◆小沢氏の記者会見
この日、小沢一郎氏も記者会見をしていた。産経新聞のネット版にはこっちの詳報もアップされていたので、コピペした。31日午後、党本部での記者会見だ、という。
――千葉県知事選で民主党推薦候補が敗れたが、どう受け止めているか。自身の公設秘書が起訴された事件が影響していると考えているか?
小沢氏 私の秘書をめぐる問題につきましては、もう皆さんが一生懸命、3週間以上にわたって報道していただきましたので、多分、その影響もあったことは事実だろうと思います。ただ、あの、皆さんは知事選のことだけ取り上げておりますけれども、同時に行われました(千葉県の)木更津の県議補選では、浜田防衛相の下で相手の候補、弔い合戦。自民党との一騎打ちで民主党の推薦候補が勝利をいたしました。また、同日、(千葉県の)東金の市議会選挙が行われましたけれども、22人の定員のうちで、次は選挙は金子(健一)くんを、わが党を、候補者を支持するという議員が13人当選いたしました。そういう意味において、みんなで一生懸命訴えていけば、有権者の皆さんも理解していただけると、そういうことではないかなと、そう思っております。
――鳩山由紀夫幹事長が記者団に対し、代表とのやりとりを紹介した。「国民がこの執行部では政権交代が難しいと判断したときにはお互いに責任をとろう」と、鳩山氏が言ったのに対し、代表も「分かったと」と応じたそうだが、どのような意味合いでそう述べたのか。また再び進退を判断するタイミングはあるのか。あるとすればそれはいつなのか?
小沢氏 私は、最初から何度も申しあげておりますように、次なる総選挙は自分自身、個人にとりましても本当に政治生活の集大成、政権交代へ向けての議会制民主主義を定着させる、そのためには政権交代しかない。そしてまた国民サイドに立った政治を実現する、そのためにも政権交代しかない。そういう固い、強い信念で臨んでおりますので、そのことを私のすべての判断の基準として考えるということであります。総選挙がまだいつだか分かりませんうちに、どうこういわれても返答のしようがありませんけれども、いずれにしても、国民の皆さんの理解を得て、政権の交代を実現したい。そういう思いは変わりません。
――自民党内で早期の解散という声も出始めているが、現時点で解散の時期をどう考えているか。今後の地方行脚をスケジュールも含めどう考えているのか?
小沢氏 これは内閣の権限でありますので、総選挙がいつかは分かりません。皆さんの報道を漏れ伺う範囲内においては、政府与党内で5月解散総選挙という意見もあるし、またやっぱりサミット出席してからだという意見もあるやに聞いています。私どもとしては、どちらでも即、対応できるような態勢をとっているつもりでありますし、候補者と目されている人たちも、そういうことで準備していると思います。私自身の地方行脚を含めたキャンペーンについては、ちょうどほぼひと回りして、ひと休み、リフレッシュしようかと思っていた時期にこのような問題が発生いたしましたので、そういう意味で、もう少しちょっと皆さんから解放されたら、少し、休みの時間をとって、また元気を回復して、それ次第やりたいと思っております。
――党独自の300小選挙区の世論調査・情勢調査は今後実施するのか。実施するとすればいつごろか?
小沢氏 世論調査は、客観的に、量的にも質的にも客観的に正確に私ども自身でやっております。1月の下旬にやりましたので、それから、2カ月以上経過することになりますから、4月中にはやりたいなあと。少し落ち着いてからやりたいなあ、そう思っております。
――小沢代表は今回の事件をめぐる捜査の不当性について言及してきた。与党側にも西松建設から献金を受けている議員の団体があるが、これらに対する表立った捜査の動きが見られない現状についてどう思うか?
小沢氏 それは政府、捜査機関の考え方だから、私どもとしては分かりません。ただ事実問題として、いわゆる今問題となっている政治団体からも、自民党の皆さんも献金を受けていると聞いておりますし、自民党の国民協会は、かなり多額の献金を受けていると、そういう事実を皆さんの報道で知っているというだけで、あとは政府、捜査当局の判断ちゅうことだと思います。
――民主党の鳩山由紀夫幹事長は有識者による外部チームの設置について、代表自身の問題、東京地検の問題、マスコミの問題を取り上げることを検討しているようだが、この構想の是非と、実現する場合、いつごろやり、どのような効果があると思うか。先ほど、4月に党の世論調査をやるという話があったが、その結果は自身に進退の判断材料になるのか?
小沢氏 最初の問題は、鳩山幹事長がお考えになっておられることだろうと思いますので、私自身が今、答える立場ではありません。それから、4月の世論調査、行いたいと思っておりますけれども、私の行動基準はあくまで総選挙で勝利して政権を交代するということでありますので、4月中にでも解散総選挙っちゅうことであれば別ですけれども、政権交代ということをあくまでも基準にしてやるということは変わりありません。それと、こっちでやる調査、僕個人うんぬんの調査するわけじゃありませんので、それぞれ候補者の状況調査ということであります。
――麻生太郎首相が今日、追加の景気対策を4月中旬までに策定するように指示した。赤字国債の発行も辞さないということだが、見解は。また、先週末の各社世論調査で6割を超える人が小沢代表は辞任すべきだという厳しい声があがっているが、受け止めは?
小沢氏 補正予算で赤字公債の発行もやむを得ずというか、なんておっしゃったのか知りませんが、それを含んでも補正をつくるということの趣旨だと思いますが、私どもの考え方、もう前から言っています通り、既存の予算の仕組み、それから既存の各省庁別のこの予算の中身、これを徹底的に検証して、無駄なものは省くと、やめるということで十分、われわれの新しい政策も実現できるという考え方に立っておりますので、既存の予算編成の仕組みや内容をまったく検証しないで、ただ単に赤字公債、出す、という考え方については賛成いたしかねます。
それから、私自身のことについての世論調査。そのこと自体は強く真摯に受け止めて対応しなければならないと、もちろん考えておりますけれども、いずれにしても、総選挙でもって勝利できるかどうかということを最終的な判断基準にいたしたいと思っております。
――巨額な献金を何に使っていたのかという疑問が残っている。中国の頂上計画や、海外の学生の交流事業などさまざまな事業を行っているが、入ってきた金をどのようなものに使ってきたのか?
小沢氏 それはすべて、まさに政治資金の収支報告書に届け出てありますし、それはいつでも閲覧できるんですので、どうぞ閲覧していただきたいと思います。
それから私自身は全然、マスコミのみなさん取り上げてくれないけれども、事務所費も全部公開したのは私一人でございます。そういう意味で、特段、隠さなければならないことはありませんし、現実問題として、これ幹事長もちょっとテレビでおっしゃっていたようですけれども、いろんな活動をする上においてスタッフも必要ですし、若い人たちよりもはるかにその数は多いですし、取り組んでいる、今、話しましたが取り組んでいるいろんな事業も、政治活動もありますので、それはそれぞれみなさんお考えになっていただければ、少なくてもみなさん、ここにおられるみなさんは見当のつく話だと思っておりまして、そういう意味で、国民みなさんにも私は理解していただけるものと思っております。
――代表は先週の記者会見で秘書の起訴は納得いかないと述べた。納得いかないというのは、企業献金が突然、法解釈が突然ダメになったことについてか、修正報告すれば済むものなのにこの時期に逮捕、起訴になったことについてか。メディアで検察のあり方について疑問視する声が出ている。検察に問題があるとすれば、考えは。問題があれば政権とったら場合にどのような措置をとるのか?
小沢氏 最初の件ですけれども、私どもの主張、事務方としては、政治資金規正法の趣旨、すなわち寄付を受けた、献金を受けた相手方を正確に記載して金額と同時にそれを届け出るということが政治資金規正法の定めであるというふうに考えて、その通りにしたわけでありまして、いわゆる政治資金規正法に違反している、何かをやったという意識は全くないだろうと思っております。それが政治資金規正法に関する考え方。それから、この記載の、収支報告書の、私ども間違っているとは思ってないんですが、今回については、仮に間違ったことがあった場合には、修正報告することによって従来は通ってきたわけでございます。
従って今回、初めて、この種のことで逮捕、強制捜査、立件というのは従来にないことでありますので、それもやはり、もっと慎重に、僕の場合だけじゃなくして、これはいろんなすべての政治家に当てはまることでもありますので、慎重にしてもらいたいということは、そう願っております。
まあ、あの、検察だけじゃなくして、検察でも、警察でも、あるいは国税当局でもですね、国民に対して強制力を持っている機関は、やはりその権力の行使に慎重でなければならないと。そうでないと、国民の基本的人権を侵すことになりかねないというふうに思っております。
――今後の地方選挙の対応について、秋田県知事選、名古屋市長選、さいたま市長選と大きな地方選挙が続くが、小沢代表の対応は。世論調査では民主党の支持は大きく減ったわけではなく、ゆるやかに減っている。今後、捜査終結などの一定の節目を超えれば、民主党の支持は元に戻り、政権交代できると考えるか?
小沢氏 えー、前からも言ってますように、基本的には、地方選挙ですから、知事選挙とはいえ。地方のいろいろな事情が絡み合ってくるわけですから、あくまでも、これ県連が主体となりながらやっていくことだと思います。
ただ、欧米の民主主義が進んでいる国においては、知事選、やっぱり、民主主義っちゅうのは、政党政治ですから、そういう意味において、知事選挙でも、アメリカでは民主、共和、イギリスでは保守、労働という形で行われておりますし、それが、民主主義の定着のためにも役立つことでもありますので、できる限り、少なくとも、県知事、政令都市は、わが方の独自候補を擁立していくようにしたいということを地方にもお願いいたしております。
んー、で今、あった、指摘があった、秋田知事選挙は地方いろんなさまざまな事情の典型的な例でございまして、それはそれで、この間、社民党と連合の代表が来られましたが、地元の若干、民主党の県連と異なることになっちまったけれどもということでしたが、それはそれぞれ地域事情で、いろいろなさることで、私がどうしろこうしろという話ではないということで。
まあ、国政選挙はしかし、この3グループを中心とした野党共闘態勢を目指して貫いていこうということになったことはご承知の通りでございます。名古屋については、民主党の推薦ということになりましたので、これはできる限り、みんなで応援しなくちゃいけないだろうと思ってます。さいたま、大宮、さいたまか、さいたまについては、まだ具体的には聞いておりません。それから、なんだっけ。わが党の支持率については、緩やかに増えていくことを期待しております。
私としては、今さっきも申し上げた通り、政治資金規正法にのっとって、その通り届け出しておりますと。何もうそも隠し立てもしてませんと。言う立場でおりますので、それが、もし、国民の皆さんに誤解受けているとすれば、そういう点について、私も機会あるたびにお話をしていきたいと思います。
――今日、政府が政治主導の人事を目指して、内閣人事局の設置を盛り込んだ国家公務員法の改革関連法案を閣議決定したが、この政府の法案をどのように評価するか。民主党内には中央省庁の政治任用を求める意見があるが、どのような仕組みがいいと考えるか?
小沢氏 あの、人事局を作る作らないというのは、どのよう紙だか、僕も正確に検討しておりませんので、分かりませんが、役所でもって作ってきたやつでは、大した効果は上がらないと私は思っております。
基本的に統治の仕組みを変えるのが私の考え方です。んー、霞が関の中央集権的なカネも権限も全部、霞が関で最終的に握っていると、こういう仕組みがいろんな矛盾を引き起こし、そして、機動的な対応ができなくなっている。あるいは、地方がどんどん過疎化して疲弊してって、中央だけが肥大化すると。こういうことの根本の原因だと思いますし、官僚支配の一番の根源はこのお金と権力を一手に集中させていると、こういう仕組みだと思っておりますので、これを根本的に変えたいというのが、われわれの考え方ですので、既存の統治の仕組みを前提にして、人事をただいじくり回すだけでは意味がないというふうに私は思っておりまして、それでは、官僚優位の、支配の、この国の体制を変えることはできない、そういうふうに思っております。
――この前の代議士会で、近藤洋介議員からの質問で、素性の分からないお金を長期間に渡って、数千万円受け取っていたのか、何の見返りも求めない巨額のカネに違和感はなかったのかという質問があったと思うが、改めて伺いたい?
小沢氏 具体的にどこの企業から、いくらいくらっつうのは、私はその都度把握しているわけではありません。それから、西松建設、あるいはその関連のところからだけ献金をいただいているわけではありません。この間の会見でも申し上げましたように、多くの企業から、もちろん、献金を受けております。そしてそれの何倍にも渡る個人の皆さんから、献金を受けております。私は、政治献金のことについても、いつも申し上げております。
どこからもらっても、何に使っても、それは、オープンにすること、ディスクロージャーが日本の社会ではより、何でもかんでもアメリカみたいにしろという意味では決してありません。もう少し、よりオープンな仕組みをつくっていくべき。選挙する人が、ああ、こういう所からもらったんだな、こういうとこに使ったんだなということが、一目瞭然分かるようにしていく、後は選挙民が判断するというのが、民主主義のあり方だと思っておりまして、それが、額が小さい大きいという問題ではないだろうと思っております。収支については、ずーっと収支報告書で正確に報告していたしておりまして。それを見ていただけたらと思います。
以上で全文だ。面白い。社説だけ読むと、産経新聞は朝日新聞と同じように小沢氏の辞任だけを願っているように見えるのだが、紙面と言うか、このネットの作り方を見ると、朝日新聞と同じには扱えない、と思う。哲学に基づいて全文を入れているように見える。だから、読者は記者会見場に行かなくとも、その場のやり取りが分かる。
こういう記者会見は全文をさらっと読めば大体の雰囲気も分かるし、翌日の各紙の扱いも想像できるものなのだ。
びっくりしたのは、質問がえげつないことと、小沢氏がそんな無礼な質問にも丁寧に答えていることだった。いまだに東京地検特捜部から「聞いてくれ」と頼まれたかのような質問を何度も繰り返す記者がいる。
きっと朝日新聞の記者なのだろう。「政治的に小沢を殺せ」という上からの指示が出ているような聞き方だ。しかし、昔の小沢氏ならばこういう怒らせる質問にキレることが多かったが、さすがに老練というか、じっくりと答えている。立派だと思う。
内容に新味があるはずはない、と思っていたのだが、選挙結果には驚いた。千葉知事選だけ注目していたが、その下のレベルの選挙では民主党は負けていないじゃないか。
それに、千葉知事選の投票率は悪すぎた。民主党に行くはずの票が森喜朗元首相の言い方を真似ると「寝てしまった」からだ。今回は地方選挙だから「寝てしまった」のだが、国政選挙ではそうはいかない。民主党が死ぬ気になって、小沢代表のもと一糸乱れず進めば、今回「寝てしまった」有権者はきっと起きだしてきて、政権交代をさせる一票を投じるだろう。そうしなければ政治は変わらない、と分かってしまったからだ。
麻生会見のところで書いたが、結局、自民党政権では小泉構造改革の抜本転換ができない、というのが最大のネックになると思う。
安心・安全社会を構築してくれるのがどっちなのか? いい勝負を望みたい。もう地検や朝日新聞にその邪魔はしてほしくない。有権者は東京地検の特捜検事の思惑を通り越した鋭い選択をすると思う。小利口な朝日新聞記者が「あっ」と驚くような。
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