江上剛氏の<マスコミが悪人つくる?>、よくぞ言った!+山口二郎氏のコラム~東京新聞4月5日朝刊[新聞を読んで]と[本音のコラム]から
東京新聞4月5日朝刊オピニオン面[新聞を読んで]で作家の江上剛氏が<マスコミが悪人つくる?>と題してマスメディアの垂れ流し報道を強烈に批判していた。共感できる主張が多かった。抜き書きする。
江上氏は「腹立ちの1カ月だった」と書き出す。東京新聞の社説で血液型性格診断ブームに警鐘を鳴らしているのに、同じ日の放送&芸能面で血液型本ブームに乗って発売されたDVDの宣伝のような紹介記事が出ていた、と。
そして、
<小沢一郎氏公設秘書逮捕の報道で「関係者」の発言が氾濫していることだ。この「関係者」とはいったい何者だ?>
と切り込む。
<私は、民主党や小沢一郎氏の支持者ではない。むしろ小沢氏が、巨額の政治資金を集め、なぜ自身の政治団体で不動産などを購入したのか、十分な説明をしてもらいたいと思っている立場だ。その立場をもってしても今回の「関係者」情報の垂れ流し的報道には、非常に不愉快な思いがした。>
つまり、小沢氏の蓄財疑惑を疑っている立場の人なのだ、この江上氏は。その人ですら「おかしい」と思うような報道が続いていた、という。
<かつて筆者は、旧第一勧銀総会屋事件において、自分の知らない情報がこれでもか、これでもかと報道され、追い詰められた恐怖を味わった。特捜検事に事情聴取された際、「なぜこんなにも情報が出るのか? あなた方が漏らしているのか?」と聞いたことがある。当然、「知りません」という回答だったが、許せないと思った。犯罪者かどうかは裁判を経ないと決まらない。それなのにマスコミ情報で極悪人にされてしまう。抵抗する手段も無い。この恐怖は、味わった者しか分からない。>
そうだったのか。江上氏と聞いても思い出さなかったのだが。
<もし「関係者」が特捜検事であれば、公務員による情報漏えいだ。年金情報を漏らした社会保険庁の職員が処分されたこともある。捜査情報を漏らす検事がなぜ問題にならないのか。>
もっともである。社会保険庁が集める情報とレベルが段違いに違ってプライバシーそのものの情報が特捜検事の下に集まるのだから、その情報を漏らす=リークしたら罰せられて当然なのに、今まで罰せられた、という話を聞いたことがない。
<重要なことに関しては、特捜部は記者会見で発表すべきだ。東京新聞には、ぜひそういう方向に誘導してもらいたい。国策捜査という言葉が頻繁に使われるようになった。権力に逆らえば、極悪人にされるかもしれないという恐怖が国民に浸透しているということであれば、大いに問題だ。>
という内容である。
佐藤優氏や鈴木宗男氏が著書で開陳しているように、東京地検特捜部は傾向捜査をする。江上氏のような論を大切に、各紙も東京新聞のように報じてほしい。
◆山口二郎氏の主張はもっときつかった
同じ東京新聞4月5日朝刊特報面コラム[本音のコラム]で山口二郎・北大教授が<「正義の味方」の愚かさ>のタイトルで書いていたことも同じことだった。関係部分だけ書き抜いておく。
「朝まで生テレビ」に出て小沢氏の問題を話したら、共産党の国会議員が検察の立件は100%正しいという前提を崩さず小沢氏の金権政治体質を批判しまくった、という。
<それが官憲の弾圧と闘った輝かしい伝統を持つ共産党の議員が言うことか、と私は呆れ、がっかりした。敵対する政党が検察に弾圧されるのは、対決する側にとってはざまを見ろという感覚なのかもしれない。しかし、いまこそ政治家は党派を問わず、明日はわが身という感覚を持つべきである。共産党は言うに及ばず、今の与党だって、仮に政権交代が起これば、検察や警察の弾圧を受ける側に回るのである。本来は、民主党対検察ではなく、議会対検察という構図で、検察の責任を追及すべきである。>
共産党の議員だって、最近は堕落しているのだ。
<われわれは何よりも、検察が正義の体現者だという錯覚を捨てなければならない。検察も所詮は劣化した官僚組織である。個々の検事は組織内での栄達を図り、手柄を挙げようとし、正義という言葉をもてあそぶ。そうした検察官のシナリオを鵜呑みにして悪者を叩けば、当人は正義派を気取っていられるのだろうが、端からは何とも愚かに見えることを知るべきである。>
きつい言葉だ。山口氏の言葉は時代とともにきつくなっている。
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コメント
最近の山口氏の発言に憤りを感じているものです。
共産党についての評価はともかく、小沢一郎に期待する人間の愚かさは、検察の言葉を信じる愚かさと、どちらがより愚かではないのだろうか。
山口氏の言葉は年々きつくなっている。確かに、論理破たんの進行具合と同時並行で…。
投稿: 一岩手県民 | 2009年6月18日 (木) 02時13分