「ウイグル人が漢民族少女2人を強姦」のデマから民族紛争へ発展:女性の尊厳侵害は戦争を起こす~産経新聞7月8、9日と中央日報7月8日
◆李明博大統領が「北は援助を使って核開発」と明言
韓国の中央日報日本語版HPに8日、<李大統領「北への支援金、核武装転用の疑惑」>という記事がアップされていた。昨日、朝鮮日報に載っていた金大中・盧武鉉時代の北朝鮮への援助、送金が核開発に使われた疑惑について李明博大統領が追認した、という記事である。青瓦台までもがこういう見方をしているよ、というのは大きいだろう。ただ、今の韓国民、特にソウル市民に反権力の伝統がどれだけ残っているか、でこのニュースの影響力は違ってくるとは思うのだが。昔は青瓦台が言っていれば、それは嘘だ、という見方が下層階層の庶民の中にはあった。今はどうなのだろう?
中央日報の記事を読んでみよう。
<李明博大統領は7日「(過去の政府が)北朝鮮に相当な経済的支援をしたのは事実」とし「過去10年間に莫大な金額を支援したが、それが北朝鮮社会の開放を助けるのに使われず、核武装に利用されたという疑惑がある」と述べたと、文化日報が8日報じた。ポーランドを訪問中の李大統領はこの日、ワルシャワの迎賓館でヨーロッパの有力ニュース専門チャンネル「ユーロニュース」のインタビューに応じ、このように話した。>
そうか、この時期、イタリアのG8サミットに東アジアからは日本だけでなく中国、韓国から首脳が出席していたのだった。
<李大統領は今後の対北朝鮮政策について「われわれは国連制裁のような国際協調を通して、北朝鮮が積極的に対話に応じるよう力を注いでいる」とし「対北朝鮮制裁の目標は、北朝鮮を国際社会に呼び出して対話をすることにある」と強調した。 また「中東のテロ問題があるが、国家的単位で考えると、北朝鮮が危険な国の一つであることは間違いなく、そのために世界が深い関心を持っている」と述べた。>
いいアピールになっただろう。日本にとってもプラスだ。こういう日韓の競演が望ましいのだ。
<李大統領は「中国・ロシアが(国際社会の対北朝鮮制裁に)歩調を合わせれば、北朝鮮を対話のテーブルに呼び出せると考えている」とし「ヨーロッパは伝統的に北朝鮮と対話をしてきたため、北朝鮮問題に関心を持って影響力を行使することを望む」と話した。 「北朝鮮の金正日国防委員長をどのように評価するか」という質問に対しては「実際に最も閉鎖された社会の指導者だ」と答えた後「北朝鮮は完璧に閉鎖された、我々としてはあまり理解できない地球上の唯一の国」と述べた。>
いいぞ、李明博大統領。その通りだ。
◆金正日総書記の映像、首が痩せすぎだ
産経新聞のHPには<金総書記の動画、3カ月ぶりに放映/故主席追慕大会で>というソウル支局の水沼啓子特派員の記事がアップされていた。7月8日夜のテレビのニュースショーで画像を見たが、首が細くなっており、いつまでもつか分からないような状態だったなぁ、総書記様は。記事は以下の通り。
<北朝鮮の朝鮮中央通信によると、金日成主席の死去から15年を迎えた8日、平壌市内の平壌体育館で開かれた中央追悼大会に金正日総書記も出席した。朝鮮中央テレビが金総書記が入場する場面などを放映した。金総書記の動画が放映されたのは4月9日の最高人民会議第1回会議と同月16日の花火大会のとき以来で約3カ月ぶり。>
3か月前の映像に比べると生気が全く感じられない。
<大会冒頭の場面で金総書記が歩いている姿が数秒間流れた。足をわずかに引きずりながら歩くようにもみえ、麻痺説が出ている左手については机の上に置かれたままで動いている様子は映らなかった。>
頸の細さや顔の表情がおかしかったのではないか。
<追悼大会では、金永南最高人民会議常任委員長が演説し、金主席と金総書記の革命業績をたたえた。ひな壇には総書記の実妹、金敬姫党中央委部長とみられる人物の姿もみられた。金総書記は金主席の死去5年と10年の節目の中央追悼大会にも出席している。>
まあ、何というか、この男が日本を核攻撃する、などと言っている男なのか。
◆胡錦濤中国国家主席がサミットに出ず急きょ帰国
産経新聞HPには胡錦濤中国国家主席がサミットのためにイタリアを訪れたのにもかかわらず、本会議前に急きょ帰国した、というニュースが大きく載っている。各国首脳もびっくりしただろうなぁ。今やどこ国も中国頼みで、中国の悪口を言わないという雰囲気なのだから、その主役が欠けたサミットはメインディッシュがないディナーのようなものになってしまったのではないか。麻生さんには可哀想だが。
まずは本記筋は北京の伊藤正特派員だ。ネットでは<ウイグル暴動/胡主席が急きょ帰国/国内安定にトップの責任>の見出しだ。
<中国新疆ウイグル自治区の暴動にからみ、中国の胡錦濤国家主席は主要国首脳会議(ラクイラ・サミット)への出席を断念、急きょ帰国した。大量の軍、警察の投入で事態は収拾されつつあるだけに、意外な感じもするが、中国共産党のトップとして指導力を発揮する必要があったためとみられる。世界経済や地球温暖化問題を討議する今回のサミットでは、主要8カ国(G8)のメンバーではないとはいえ、中国は最も重要な参加国の一つであると同時に、中国にとっても諸問題で発言力を高める絶好の機会だった。胡主席は米露や新興国の首脳との会談に向け、万全の準備をしてきたといわれる。>
胡錦濤も準備万端だったのにね。
<胡主席は5日昼すぎ、北京を出発、新疆自治区の区都での暴動発生の報告を受けたのはローマ到着後だったとみられる。このような重大事件については、トップが外遊中も刻々報告を受け、必要な指示を出すのは中国に限らない。昨年3月のチベット騒乱でみられたように、中国指導部は少数民族の暴動に対しては、分離独立運動の策謀として、徹底的な抑圧をするのが常套手段であり、今回のウルムチでの暴動に対しても、胡主席はじめ党指導部の意思は一致していたとみてよいだろう。>
国土保全が共産主義国家では最大の国益らしい。
<西部国境の広大な地域を占める新疆、チベット両自治区(合わせて全土の約30%)は豊富な地下資源を有し、戦略的にも極めて重要であり、分離独立はむろん、共産党支配への平和的な異議申し立てさえ、一切容認してこなかった。新疆では1990年代に何度か大規模な暴動事件が発生したが、その後は分離独立運動組織の弾圧が続き、組織的な暴動は封じられた。今回の事件も民族感情の爆発であって組織性はなく、またチベットと違い海外組織の支援も限られていた。>
偶発的なものだ、と。
<ウルムチでは既に多数住民になった漢族が7日「報復デモ」をした後、夜間禁止令が敷かれたものの8日朝には解除された。当局が事態を掌握、秩序維持に自信を持った表れである。そうした中で胡錦濤主席がサミットを放棄、帰国する必要があったか疑問がある。これについてある中国筋は「今後予測し得る内外の事態について党中央で検討するため」とし、さらに「昨年の四川大地震といった重大事態への対応をめぐり指導力を発揮するのがトップの責任だ」と述べた。>
何か緊急に決定すべきことがあるのだろう。北朝鮮関係でなければいいが、分からないなぁ。
<中国は今秋の建国60周年記念日に向け、国内の安定を最優先課題にしている。チベット騒乱に続く今回の暴動は、民族問題の根が深く、大きな不安定要素になっていることを示した。そこには歴史的、文化的、経済的な背景があり、簡単には解消できないが、民族対立を緩和する方策の検討が急務であることも間違いない。胡錦濤主席にとって、それはサミット以上に重要だったということかもしれない。>
ものすごく抽象的に書いているが、伊藤氏の考えは他にあるのだろう。
<影の主役が帰国/「中国リスク」浮き彫りに /ラクイラ・サミット>という受け記事はローマ支局の渡辺浩生特派員の署名記事だった。
<ラクイラ・サミットの“影の主役”といわれる中国の胡錦濤国家主席が帰国したことで、いまや中国を抜きでは何ら意味をなさなくなった世界経済問題や地球温暖化対策での有益な討議は望めない状況となった。特に、米国発の金融・経済危機を克服し、再発を防ぐ処方箋を探る上で、中国の存在は欠かせない。胡国家主席の帰国は、中国の国内事情に世界が翻弄されるという「中国リスク」を改めて浮き彫りにした。>
決まり言葉がこれだけ出てくると、何だかなぁ。記事の信ぴょう性が薄れる感じがするのだが。
<「ワシントンと北京が(危機克服に)いかに成功するかが、世界のほかの国々の経済に極めて重要になる」。ガイトナー米財務長官は先月の訪中で中国の役割をこう指摘した。米国発の金融危機を契機にヒト、モノ、カネが国境を越えて自由に移動するグローバル化が逆転し世界経済が縮小するなか、中国経済は存在感を増すばかりだ。これまで急速な自由化を拒む一方で、安価な労働力を武器に輸出を伸ばしてきた中国は危機の影響も軽く、2009年の経済成長率はプラス6.5%を維持する見込みだ。中国とインドを除けば途上国の2009年の成長率は1.6%減にまで落ち込む見通し。世銀のゼーリック総裁は「より多くの職が失われ、より多くの人々が貧困に陥る」と警告する。>
経済部の記者なのか? 数字がどんどん出てくるが説得力がない。
<中国は保護主義的な姿勢も強めている。米国が経済対策に自国製品を優先的に購入する「バイ・アメリカン条項」を盛り込んだのに対抗するように、先月、同様の「バイ・チャイニーズ」通達を地方政府に出した。食糧確保のためにアフリカの最貧国の土地を買いあさり、天然資源の検権益獲得にも貪欲だ。自国の利益だけを優先する姿勢は、世界経済の回復の足かせとなりかねない。昨秋の金融危機は、過剰な借金を抱え、消費や投資に巨額のマネーを注ぎ込んできた米国経済のバブル崩壊が引き金となった。今回のサミットは、そんな米国に過度に依存した、これまでの世界経済の成長モデルを見直す好機と期待されていた。>
まあ、作文だな、この記事は。あまり出来の良くない作文。
<危機克服には「G2」とも称される米中の協調が不可欠だ。だが、米国は世界最大の米国債の保有国である中国に今後も大量発行が続く国債を購入し続けてもらう必要がある。米国内には「中国への依存度を強め、対中姿勢を縛り続ける」(保守系シンクタンク、アメリカン・エンタープライズ・インスティテュートのデスモンド・ラクマン氏)と、中国にこれ以上の借りを作りたくないとの警戒感が根強い。胡主席が帰国したことにより、9日のサミット拡大会合やキャンセルとなった首脳会談で、腹を割った討議を行い、両国が歩み寄るチャンスは失われた。>
米国が中国を怒らせないように新疆ウイグル問題で音なしの構えを続けているのは、産経新聞伊藤正記者の予想通りだった。
<先進国と新興国が対立する地球温暖化対策でも、米国と並ぶ最大の温室効果ガス排出国の中国がカギを握っていた。「2050年に世界全体で排出量を半減させる」という長期目標に新興国を組み入れることができるかが最大の焦点だが、新興国の反発は根強く、中国を欠いた状態での合意は極めて困難だ。中国は食糧輸入大国でもあり、10日のアフリカ途上国を交えた食糧安全保障の討議にも不可欠。胡主席帰国がサミットに与えた影響は計り知れない。>
中国って、いつの間にそんなに存在感がアップしたのだろう? これで麻生首相がいなくても「あぁ、そうなの?」(麻生なの?)で済まされてしまうだろう。これが何とも腹立たしいことで、国威発揚という原始的、19、20世的な国民感情を逆なでするのだ。それとも、今の日本国民の中ではこういう感情を持った人間は少数派なのだろか?
◆NHKニュースは中国では肝心な部分が消されてしまう
<ウイグル暴動/中国でNHKニュース中断>という産経新聞のネットにあった共同通信の記事も面白かった。
<中国で8日、新疆ウイグル自治区の暴動について報じていたNHKの海外放送が番組の途中で突然画面が真っ暗になり中断された。視聴が制限されたのは米国在住のウイグル人らによるデモの映像で、中国当局は海外でのウイグル人らの抗議活動などの動きに神経をとがらせているとみられる。6月の天安門事件20年の際にも同様の措置が取られた。>
どうでもいいようなニュースに見えるかもしれないが、こういうニュースが大事なのだ。つまり、開放的に見えるものの、中国人民は本当のことは知らされずに年老い、死んで行くのだ。
以下の共同通信のニュースは何か胸に迫った。昨日の夕方に産経新聞のネットにアップされたものだが、ここでも異民族による少女強姦というデマが民族紛争のきっかけだった、とある。昔も今も強姦は戦争のきっかけなのだ。個人レベルでは殺人のきっかけにもなる。それを「忘れろ」「我慢しろ」としか教えず、名誉とか矜持という概念を忘れさせる教育をしていたら、日本の民族としての根っ子は腐るのではなかろうか? 見出しは<ウイグル暴動引き金の工場乱闘事件で13人を拘束 地元公安当局>だ。
<中国広東省韶関市の玩具工場で6月下旬、ウイグル族の労働者が漢民族に襲われ乱闘となり計100人以上が死傷した事件で、地元公安当局は7日までに乱闘にかかわったとしてウイグル族側の3人を含む13人を拘束した。新華社が伝えた。事件へのウイグル族の抗議が新疆ウイグル自治区ウルムチの暴動につながったとされ、公安当局は慎重に捜査を進めているが、当時の状況が混乱していて難航しているという。また、中国紙によると、事件は同工場の元労働者が工場に再雇用を断られたことに腹を立て「工場でウイグル族6人が2人の少女を強姦した」とネット上に虚偽の書き込みをしたのが原因で、公安当局は直接乱闘にかかわった13人とは別に、元労働者も拘束している。>
満州開拓団の女性たちがソ連兵に強姦され、その復讐はまだ済んでいない。こういう記憶は忘れることのできない民族の記憶だから、今かりに占領軍仕込みの「民主化」教育で日本人に忘れさせても、何年か後、何十年か後にはきっとその記憶は蘇り、もう一度、民族の記憶として定着し、いずれ何十年、何百年後にロシアに復讐するだろう。ロシアは1904~1905年の日露戦争敗戦の屈辱を忘れておらず、日本への復讐を虎視眈々と狙って、スターリンがその民族的復讐を1945年に行ったのだ。40年ぶりの復讐だった。満州の復讐はあと50年はかかるだろうから、1945年→2060年としても、115年の歳月がかかることになる。ここで、ようやく民族の辱められた記憶は洗い流され、ロシアを許すことができるのだと思う。そうでなければ、荒野にしゃれこうべのまま打ち捨てられた満州集団移民の人々の怨念は一体誰が晴らし、弔うのだ。
アメリカ合衆国はいずれの日にかインディアンに復讐され、漢民族はチベット、新疆ウイグルの民族に復讐される日が来るのではないか、とも思う。世界に生きている人間も日本人である私と同じ赤い血が流れる人間なのだから。
(追記 7月9日夜)
産経新聞HPに7月9日アップされた<[ウイグル暴動 私はこう見る]インタビューで星野昌裕・南山大総合政策学部准教授は新疆ウイグル自治区の核実験場を重視する見方を示していた。これも無視できない要素かもしれない。
星野教授の話は以下の通り。
◆「ウイグル支配の要諦は安全保障」と星野教授は語る
<中国政府が新疆ウイグル自治区を徹底的に支配しようとするのは、安全保障の問題もからむからである。自治区には(石油などの)資源があるだけでなく、核実験の施設もある。自治区での実験回数は多く、ウイグル族に真の自治を与えることは到底できない。(自治区などが独立して)中国の国土が縮小すれば、ミサイル発射実験も満足にできなくなる。海上に向けてミサイルを撃つ北朝鮮とは異なり、中国は自国の領土内で行わなければならず、同自治区などが「別の国」になるのは許せないことだ。>
何か尤もだとも思えるのだ。
<また、同自治区は旧ソ連諸国とも接している。こうした国々と中国との関係改善の歴史は浅く、中国はこの周辺に特別な注意を払わざるを得ない。中国政府は少数民族地域の政策を対話や権利維持といった観点ではなく、安全保障の観点から立案してきたこともあり、その限界が今回吹き出した形だ。例えば、権力への参画は軽視されており、少数民族には共産党上層部への優遇席はない。>
少数民族対策は安全保障対策だった、と。三国志の国らしい。
<さらに1950年代から屯田兵として西部に入り、1960年代に中ソ国境に張り付けられた「建設兵団」(現14個師団)は現在、治安維持も担当しており、ウイグル族から反発を受けている。漢族の相次ぐ流入で自治区内のウイグル族の人口は75%から45%に減っている。そのうえ漢族は民族教育を受けておらず、自治区内で(イスラム教徒のウイグル族が食べない)豚肉を平気で扱う店も増えるなど十分な配慮もしていない。>
完全に差別支配だ。昔の大唐帝国に戻っている。近代の夜明けとともに阿片戦争をきっかけに外国に侵略されつくし、1949年に共産党が1党支配で独立した人民共和国のはずだったが、いつのまにか古代帝国の政治手法に戻ってしまったようにも見える。中国って中庸という徳に基づいた国内支配ができない国なのか? 日本の政治家の方がずっと立派じゃないか。日本の新聞は悪化ないけど。
<中国は今、遣隋使などの時代の「(文化・芸術という)ソフトパワー」でなく「(軍事力などを背景とした)ハードパワー」として振る舞っており、少数民族に「学んでいないじゃないか」と叫んでいる。漢族への事実上の「同化」を強いている。>
同化政策だろ? 日本が朝鮮半島を支配したように。日本は敗戦で夢が潰えたが、中国ははからずも戦勝国となったため、植民地支配を続けているのだ。ポツダム体制は続いているだ。
<一方、今回の暴動が中国経済へ与える影響はほとんどないだろう。各国の中国への依存度は強く、中国を切ってまでウイグルと付き合う国はない。昨春のチベット騒乱時に各国が中国を非難したのは経済危機の前だからであり、今は事情が全く異なる。(談)>
経済的な依存があれば、人権もなくなる。これが冷厳な世界の現実だよ。
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